ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」は、2023年7月24日(火)に「第17回TikTok Japan セーフティパートナー・カウンシル」を開催しました。当日は、TikTokセーフティパートナーおよび有識者・関係省庁の皆さまにご参加いただき、「若者の第三の居場所とTikTokの役割」をテーマにTikTokが行うべき取り組みについて議論しました。
■基調講演
基調講演には、新宿・歌舞伎町で20年間支援活動を続ける「日本駆け込み寺(https://nippon-kakekomidera.jp/)」の玄秀盛(げん ひでもり)さんとスタッフの方々をお招きし、夏休みになってトー横に来る若者が増加している現状や、若者たちへの支援活動の状況についてお話いただきました。
■ディスカッション
ご参加いただいたTikTokセーフティパートナー、関係省庁の皆さまを交え、ディスカッションを実施しました。基調講演で論題となったトー横について、実際にトー横を訪れている若者にもディスカッションに参加いただき、現状への理解を深めるとともに、TikTokセーフティパートナーからの質問も含め、次のような多様な意見が交わされました。
トー横を訪れる若者からのコメント
- トー横に行く理由の一つは、友達がいて話せるから。親と仲良く話せないので、話し相手が欲しかった。
- 今はきちんと家に帰るようにしているけど、家に戻っても親はイライラしていることが多くて、家に居づらい。本当は、自分が家に戻った時には、帰って来て良かった、ありがとうとか言ってくれたら、家にいようと思うかもしれない。
- 管理してこようとする見知らぬ大人はいる。そういう人から離れたいと思っても、そういう人は常にトー横にいるので、トー横に行くと顔を合わせなければならない。だから、トー横に行き続けたい場合は断れない。
- 他の繁華街ではなくトー横を訪れる理由は、友達がいるし、他の街と違ってそこにいる人の態度や接し方がフレンドリー、それに歌舞伎町タワーもできて、キラキラしている雰囲気が好きというのもある。
TikTokとして行うべき取り組みについてTikTokセーフティパートナーからのコメント
ディスカッションを通じて、TikTokセーフティパートナーからは下記のようなコメントをいただきました。
当事者の方が何度もトー横は「居場所」だと語られていた通り、居場所を求めて行きついた場所であるということを理解しなければならないと感じた。話を伺って、棘だらけの流木につかまってなんとか溺れないでいるという比喩を思い出した。周りからは自分を傷つけるような行為にみえても、本人としては生き延びるためにそうしているところもあり、病んでいるようにみえる側面だけではなく、なんとか生き延びようとしている力を見逃してはならない。
- ロールモデルとか憧れに近づく原動力のようなものは、行動変容のきっかけになりやすく、そうしたものとの出会いを増やすことも重要だと感じる。特にトー横に集まる若者たちには独特の美意識がありそうなので、属性の近いTikTokクリエイターのコンテンツを入口として、多様な価値観に触れたり、今やっている方法とは違う方法で生きていける、あるいは自分を表現できるということを見つけてもらえたらと思う。そして見つけた何かを表現する機会を少しずつ増やしていくことで、より望ましい形で自分を大切にするやり方を身につけられる、そんな若者の芽を育むようなコンテンツを増やしていけると良い。
- 家や学校では見つけられなかった居場所を求めて、トー横に来る若者が多いという現状があるので、トー横とは別の居場所である日本駆け込み寺などの情報を知らせられると良い。
- 例えば「#トー横」と検索したら、検索結果の上部に、「日本駆け込み寺」など子どもたちが訪れることのできる居場所や相談窓口のバナーも一緒に表示されるようにしたらどうか?
- トー横に関する動画を視聴しているユーザーには、啓発動画や相談先などもレコメンドで流れてくるとか、啓発コンテンツを提供できると良い。また、大人のユーザー(トー横に通う子の親世代)もいると思うし、保護者も悩んでいる方が多いので、大人向けの相談窓口や啓発コンテンツを流すのも良い。
日本駆け込み寺からのコメント
- トー横の環境を改善していくには、地域の商店街や自治組織など、地元の方々と連携していくことも重要。
- 地域の特徴も踏まえて、多くの方に協力いただける形での条例などで対応していく方法もあるのではないかと考える。
「第17回TikTok Japan セーフティパートナー・カウンシル」開催概要
■日時:2023年7月24日(火)15:00 – 16:30
■テーマ:「若者の第三の居場所とTikTokの役割」
■アジェンダ:
(1)基調講演
- 公益社団法人日本駆け込み寺
(2)ディスカッション
■出席者(順不同/敬称略)
- TikTokセーフティパートナーのみなさま
- TDU・雫穿大学
- 特定非営利活動法人 国際ビフレンダーズ 東京自殺防止センター
- 認定特定非営利活動法人育て上げネット
- NPO法人ストップいじめ!ナビ
- 認定NPO法人カタリバ
- NPO法人ぱっぷす
- 日本いのちの電話連盟
- 特定非営利活動法人OVA(オーヴァ)
- 総務省 情報流通行政局 情報活用支援室
- 安心ネットづくり促進協議会
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